名古屋の小さなガラス屋さん

ガラス・鏡職人のオーナーブログ

豆手鏡修理

豆手鏡修理依頼品です。

極小の手鏡です。

裏の銀面が腐食しています

 

 

f:id:glass29:20200120085340j:plain

鏡に隙間は、殆ど有りません

凹んだ枠の中に入っていますので

鏡の取り外しが難しい

 

f:id:glass29:20200120085403j:plain

このタイプは、何度か修理した事が有ります

 

実は、コレ難易度が高いんです。

枠から鏡を取り出す作業

特殊技で取り出します(汗

 

本当は、技の伝承でココに書くべきでしょうが(汗

うちも息子は、居ますが別の道に進みましたので

僕の代で終わりです。

後継者(伝承者いません

最後ベットの上で技の伝承ブログでも書こうかな

もう必要ない技術かも知れませんが

アナログな修理

これからも重要な気がします

これらは、父親 系列の職人さんの手や言葉で受け継いだ技術です。

もうそれらの人々は、この世に居ません

昭和初期の方は、腕、創意工夫が優れていました

 

今は、アッセンブリー交換

買い替え推奨の世の中です。

 

さて修理の続きです

一晩掛けて鏡を外しました

 

枠を割ると代わりが有りません

金属ですので変色も怖い

鏡を割ると枠ごと割れる事も有ります(こえ~~~~っ

枠が割れたり欠けたりしたら保証出来ませんから

最新の注意で作業を進めます

 

鏡が外れ

接着剤を剥がしていきます

シンナーを使うと枠のメッキが変色し取替しがつかなくなります。

 

裏止めは、オレンジ色

硝酸銀を銀引きした鏡です

時代は、昭和初期かな

 

薄皮を剥ぐ様にそっと

 

f:id:glass29:20200120085723j:plain

 

枠に傷を入れる事無く

接着剤が剥せました

 

f:id:glass29:20200120092413j:plain

さてここからは、小さな楕円形の鏡を切り出していきます

 

新しい鏡は、蒸着銀ミラーです。

普通の鏡と違い(バックミラーやカーブミラーと同じ製法の物を使用します

なので耐久性が違うらしい

 

型紙採取します(保険でね

 

f:id:glass29:20200121092558j:plain

 

鏡を切り出し

枠に合わせトリミングしていきます

 

べべリングカットして終了です。

コーナーがキラリと光

ナイスな収まりとなりました。

 

f:id:glass29:20200121094010j:plain

 

隙間無く無事修理完了しました

 

ご依頼頂きまして

ありがとうございました